生きている年月が違う生き物は、お互いが怖いだろうか。


【魔法使いの約束】オープニングムービー

わたしが最近はまっているアプリゲーム「魔法使いの約束」では、魔法使いと人間は似ているけれども全く違う生き物として描かれています。魔法使いは生まれながらにして魔法使いで、人間は生まれながらにして人間。魔法使いは突然変異のように生まれてくるけれど、人間よりうんとながい人生を、下手したら1000年以上もの年月を生きていくことになる。

作中では、人間が魔法使いを恐れているような描写が多いんですよ。なんなら一緒に建国の労苦を共にした魔法使いを火炙りにしようとした王様だっていたくらい。

なんでかなあ、って思ってたんですよね。なんで怖いんだろう。同じことを考えている人を探していたら、「自分が衰えだしたときに年を取らない存在が隣にいるのが怖くなる」んじゃないか、って言っている人がいたんです。でも、そうなのかなあと思って。

例えば犬はわたしの七倍の速度で年をとって死んでいく生き物だけど、隣にいるのは怖くない。でも、一年ちょっとで死んでしまうハムスターを飼うことは躊躇ってしまう。怖いんだと思います。

犬はわたしがこわいかな。今はもう、4ヵ月おきくらいにしか会えないけれど、あの子たちにとっては28ヵ月。2年じゃ人はあまり変わらないから、怖くないのかな。どうかな。

それとも、姿かたちや大きさで区別しにくいのに、決定的に違うものが怖いのかな。細胞が日々入れ替わることを恐ろしいと嘆く人はあまりいないのに、自分が明日からクローンに交換される、って言われたり、その新しい細胞に頭がついていたりしたら、人間は魔法使いと同じようにそいつのことも怖がるのだろうか。まあ、私も交換されるのは嫌だな。デカルトではないけど、クローンを別の個体として認識している以上、わたしとクローンの意識は少なくとも違うわけで、交換の概念が不鮮明。まあそもそもこの設定を持ち込んだのはわたしなんですけど。フフ。

ていうかまあ、クローンがいるなら一緒に生活したいな。そういうことじゃあないんだけど。

 

話を戻すと、魔法使いも、人間といっしょにいるのが怖いってひとはいる。差別されるからっていうのもあると思うけど、わたしがハムスターを飼うのを躊躇うことと似ている部分もあるのではないかなと思います。どうかな。人によるよね。それはそう。

 

人によるといえば、わたしはさっき、犬を飼うのは怖くないといったけど、犬が死ぬのはさみしい。でも、犬が死ぬことが怖いわけではない、気がします。それはもはや人間一般の話ではなくて私の話になるんですけど、まあわたしはわたしの話しかできませんもんね。

犬に死んでほしいわけじゃないです。苦しそうなのは、楽になったらいいねえと思います。でも、死なないでほしいのかと言われれば、そうではないと思う。犬が生きているか死んでいるかは些事なのかもしれない。

両親が犬に向ける気持ちと、わたしが犬に向ける気持ちは全く別物なのだなと最近よく思うんですよね。わたしは犬のことをかなりフラットな「群れの仲間」みたいな関係性で捉えていて、母の場合はそこに親子関係のようなものが存在するんだと思います。

犬のほうはどうだか知らないけどね。でも、「身内」的な意識は姉よりも向けられていたと思います。庇ったり庇われたり、面倒見たり見られたり、喧嘩したり、やらなきゃいけないからしているわけではなくて、やるのが当然だったからしていた、みたいな感覚。

あと離れていることにあんまり意味がない感じ。当然さみしいし遊びたくなるんだけど、でも離れていることは特に問題ではない。姉は一人暮らしを始めてから帰省するたびに怒られていましたけど……。

だからかな、死ぬのもあんまり怖くないんですよね。あの子が苦しいのは嫌で、あの子に会って鼻先をこすりつけたいとも思う。耳を食んで、においをかいで、口の端をさわって口を開いてもらったりしたい。でも死ぬのは、わたしが止めることではないし、もう一匹の犬が止めることでもない。

死ぬことは不幸じゃない。幸せかもわからないけど。そんな断定に意味はないですし。

だからね、多分生死が些事というよりも、それでよしと思ってるんだと思います。

でもやっぱり、死んだら寂しいなあ!

 

全然違う話になってしまった。だからこう、なんだろうな。魔法使いも怖いのかなって思ったけど、たぶん関係性にもよるし、考え方にもよりますね。そりゃそう。こんな長いこと自分の話をしなくてもわかりきっていることでした。

ただ書きたかっただけだよ!犬がつらそうなのはいやだもん。いやなことはもやもやする。会いに行けないのもいや。だから親に言って今は犬の小屋の前に監視カメラ置いてもらってます。わたしが大学一年生のときに、姉と一緒に暮らしていた部屋で使ってたやつです!姉(やほかのだれか)が家に侵入したらわかるようにね。こういう時に使えるなら買っておいてよかった!

ああ犬、犬はわたしのこと怖いなんて思っていないといいな。誰も悪くないことで誰かが傷つくのはきらいなんですよ。エゴイストだねえ。ねえ頼むよ犬、わたしにどうしようもないことで傷つかないでくださいね。